暴君王子の恋の瞳に、私は映らない
もう、何もかもが嫌になった。
笑顔を作るのも。
友達の顔色を伺うのも。
絶対に振り向いてもらえない人を
思い続けるのも。
この世界で息をすることすら、拒絶したいほど
全部が嫌で。
全部が……
もう……
どうでもいい……
「しずくちゃん……
友達でいてくれてありがとう……」
死人のような無気力な顔で
ぼそりと呟いた私は
泣き続けるしずくちゃんに背を向け
学校から飛び出した。