暴君王子の恋の瞳に、私は映らない
その気持ちが嬉しくて、嬉しくて。
たまらなく嬉しくて。
自分の中で抑えきれなくなった想いを
どうしても吐き出したくなった私。
私は、鞭光君の瞳をじっと見つめ、
瞳が見えなくなるほど
ニコッと微笑んだ。
「永遠に鞭光君の隣にいたいほど
大好きだよ!!」
その数秒後。
「……かわいい奴」
テレ顔を手の平で隠しながら
ボソッと呟いた、鞭光君は
「俺と同じこと……
思ってんじゃねぇよ……」
私の頭を、ポンポンすると
「姉貴に
『俺らの邪魔をしに
この部屋に入って来るな!』って、
言いに行ってくるから」
ソファをどかし、部屋を出て行った。