キミと迎えた2回目の夏

「おーい! 梨紗(りさ)、大丈夫か?」

少し顔を横に向けると、教室のドアから彼が近づいてくるのが見えた。

彼の名前は、清水 颯太(しみず そうた)。

私の唯一の男友達。

サラサラの髪に、部活はサッカーをしているせいか少し日に焼けた黒い肌。

手には、さっき購買で買って来たのだろうかビニール袋を持っていた。

「‥‥‥大丈夫じゃない。暑すぎて、もうムリ」

私は机に俯したまま返事を返す。

「はははっ! 本当に、梨紗は暑さに弱いな!」

颯太は、笑いながら空いていた前の席に私と向かい合うようにして座った。

夏に弱い私と変わって、颯太は夏に強い。

「そんなに笑わないでよ」

少しムッとした私は、体を起こして彼の腕を軽く叩いた。

「痛っ‥‥‥。梨紗、そんなことしていいと思ってんの? せっかく、これ買ってきたというのに」

颯太は、ビニール袋からあるものを取り出した。

「あっ!」

それを見た私は、目を輝かせる。

颯太の手には、暑い夏にぴったりのアイス!

しかもそれは、2つくっ付いていてぱきっと割ると半分こできるパピコなのだ。
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