【コミカライズ】若き社長は婚約者の姉を溺愛する《宮ノ入シリーズ①》【番外編更新】
「ふ、普通につけてください!」
「直接つけると香りが強すぎて、なにか言われると困るだろうと思って、気をつかったんだが?」
「そ、それは……ありがとうございます……」
うなじじゃなくてもいいような気がしたけど、確かに継母や梨沙に勘づかれては困る。
二人の顔を思い出し、胸の中に冷たいものが広がった。
忘れてはいけない。
宮ノ入社長を梨沙の婚約者にしようと、父が裏で画策している。
もし、こんなことが知られたら、どんな目にあうかわからない。
「すみません……。私、もう昼休み終わるので、戻ります」
「一緒に戻る」
これ以上、私に近づいてはいけないのに、社長は距離を縮める。
私の心に、自然に入り込んで、いつの間にか気づいたらそばにいる。
「私から離れて歩いてください」
「社長に言うことか? それ」
「社長だから、言っているんです」
一社員と社長が、並んで歩くなんておかしい。
私たちが、一緒にベンチから立ち上がると、同じ香りがすることに気づいた。
不自然すぎる香りの一致。
「私たちは立場が違い過ぎます。暮らしている環境も……」
「直接つけると香りが強すぎて、なにか言われると困るだろうと思って、気をつかったんだが?」
「そ、それは……ありがとうございます……」
うなじじゃなくてもいいような気がしたけど、確かに継母や梨沙に勘づかれては困る。
二人の顔を思い出し、胸の中に冷たいものが広がった。
忘れてはいけない。
宮ノ入社長を梨沙の婚約者にしようと、父が裏で画策している。
もし、こんなことが知られたら、どんな目にあうかわからない。
「すみません……。私、もう昼休み終わるので、戻ります」
「一緒に戻る」
これ以上、私に近づいてはいけないのに、社長は距離を縮める。
私の心に、自然に入り込んで、いつの間にか気づいたらそばにいる。
「私から離れて歩いてください」
「社長に言うことか? それ」
「社長だから、言っているんです」
一社員と社長が、並んで歩くなんておかしい。
私たちが、一緒にベンチから立ち上がると、同じ香りがすることに気づいた。
不自然すぎる香りの一致。
「私たちは立場が違い過ぎます。暮らしている環境も……」