きみと、どこまでも堕ちていきたい
初めてのデート

「二階堂さん、頼まれた資料できました。確認お願いします」

「早いね、ありがとう。確認しておくよ」

「よろしくお願いします」




入社して1ヶ月。
やっと仕事にも慣れてきた。

いまは繁忙期で、遅くまで残業する日もある。
最近ちょっと疲れ気味かな。

私は休憩スペースにある自動販売機のブラックコーヒーのボタンを押す。
少し寝不足だから、苦めのコーヒーが飲みたい気分だった。

はあ…今日も疲れたなあ。

自動販売機の前のソファーにドスッと座りこむ。
コーヒーの缶を開けて一口含むと、深めの溜め息が零れた。

まだ14時かあ…あと4時間…。
長いなあ。



「お疲れ」

その声に私は我にかえる。
気づけば目の前に二階堂が立っていた。

「お、お疲れ様です!」

だらっと腰を掛けていた姿勢をさっと正す。

思いっきり気を抜いていた。
ぼけっとしてたの、絶対見られたよね。
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