きみと、どこまでも堕ちていきたい
「ちょっと待って」

後ろからそう声をかけられる。
私は声のほうへ振り向きその姿を見た瞬間、時が止まったような気がした。




こいつだ、とすぐにわかった。



「足、靴ずれしてるでしょ。よければこれ使って」

その男は私に絆創膏を差し出し、そう言って微笑んだ。

「痛そうにしてたから、気になっちゃって。あ、俺は二階堂高彦(にかいどうたかひこ)。よろしくね、滝川さん」



いざ二階堂を目の前にしたら、私は頭が真っ白になり言葉が出ない。

こいつが、お姉ちゃんをたぶらかして自殺に追いこんだ男…!





「滝川さん?」

二階堂は固まる私を見て、不思議そうな表情をする。

だめだ、しっかりしなきゃ。
私はこの男に復讐するためにここにきたんだ。
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