８月２５日（後編）
…なんだそれ。

と内心思いつつも、わたしは黙々と手を動かす。


それには理由があった。

それはみんなが残って作業をしてくれている中、わたしはバイトという理由で帰らせてもらっているからだ。

だから、こうしてできる時は少しでも作業を進めておきたい。


その時「あ…」と少し間抜けな声を漏らした和子の視線の先には水樹くんが。


その隣には１年の女子も見えた。


「あの２人、最近よく一緒にいるみたいだね」

和子は顔を歪ませながら視線を戻す。

「実行委員で一緒となれば、あれは普通なんじゃない？文化祭が終わるまでだよ」


と平野くんは言うけど、それはどうだろう？


だってあの子は水樹くんのことが好きだろうし。

文化祭が終わればさよなら、とはならないと思うけど？


「何で別れたかな〜？全く君たちは〜」


わたしに視線を送りながらため息をもらす和子。
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