あの日、雪が降っていてよかった。【完】
咄嗟に謝ると

雪村さんは私の手を掴んだまま起き上がって

ぺし、と私の頭を軽く叩いた。


『"すみません"禁止。…ふぁー…、お腹空いた、』


ピザピザー、と

眠そうな目を擦りながら、寝室を出ていく雪村さんの背中を

私は5秒くらい動けないまま、見つめていた。


『……香月?お前食わねぇの?』

「あっ、食べますっ…、」


私の方を振り返って

んならはやく来なよ、と呟く雪村さんはいつも通りで

"本当に猫みたいな人だ"

そう思いながら、私は小走りで雪村さんの背中を追った。
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