恋する乙女の下着事情

リノアの希望するお礼とは

<保育園前・駐車場・隅・その4>

リノアと高屋敷が並んで、
駐車場の隅の縁石に座っている。

なぜか、高屋敷がリノアを熱い目で見た。
「リノアちゃんって呼んでいい?
かわいい名前ね」
「ええ・・名前は・・
<かわいい>とよく言われますが・・・」
リノアは、ため息混じりに答えた。

「すっごい強いんだね!
かっこよかったぁ!!
胸きゅんきゅんしちゃう」

高屋敷は
胸の前で両手を組み、
乙女のポーズになっている。

「あのう・・あれくらいは 別に・・」
正直なところ、
リノアはその熱いまなざしに、
困惑している。

「リノアちゃんが男だったら、
あたし絶対迫っている!
あなた、なんで女なの?」
そう聞かれても、答えようがない。

<はぁ>と息を吐きつつ、リノアは言った。
「男に間違われることは・・
しばしばありますが・・・」

すると、いきなり高屋敷が手を伸ばして、
リノアの二の腕をつかんだ。

「結構いい筋肉ついているよね。
あたし筋肉フェチなの・・
まぁでも、一番のお気に入りは・・・支社長かな!」

リノアは腕をつかまれながらも、
引き気味になった。
いったいどんな会社なのか?
こいつは、やばい奴かも・・・

「あのう・・
もう遅いので帰ります。」
リノアが立ち上がろうとすると、
それを止めるように、
高屋敷がつかんだ腕に、力を入れた。
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