恋する乙女の下着事情

リノアの襲撃事件

<コスメティック・本社・ビル広報部長室>数日後

夜10時
高屋敷は机に脚を乗せて、
自分の手を上にあげて、ネイルの出来具合をチェックしていた。

携帯が鳴った。
リノアからだった。
「え?リノアちゃん・・
どうしたの?」

「高屋敷さん・・
どうしてもお願いしたいことが
あって・・
そちらに伺っても大丈夫ですか・・?」

「うん・・表、
ロック解除しておくから・・
上まできてくれる?」
「もう・・そちらには誰もいらっしゃらないですか・・」
「うん、あたしだけだと思うから」

その会話から、30分くらい過ぎて

コンコン
ドアが控えめに、ノックされた。
「どうぞー」
リノアがドアを細目に開けた。
「お仕事中・・申し訳なくて・・」
高屋敷は、
いつものリノアと様子が違うことに気が付いた。
「こんな遅くどうしたの?・・
なんかあったの?」

視線があわない。
顔がやや赤い。

その、足元・・・
サテン調の光沢のある黒のハイヒールに、高屋敷は目が行った。

髪は結んでいない。
しかも口紅をつけている。
香水の香り・・甘いバニラ系

いつもの
リノアちゃんではない・・・・

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