10秒先の狂恋 ~堅物脳外科医と偽りの新婚生活~
土曜、大和先生は日勤もお休みで、私たちの初めてのデートの日だった。
私たちはプラネタリウムがある博物館に向かっていた。
「果歩。危ないから、手、つないでて」
「はい」
優しく手を取られる。そのまま指の間にするりと指を這わされて、その熱に身体がピクリと跳ねる。
普通に手を繋ぐのと、こうして指を絡めるのとでは全然違う気がするし、こっちの方がやっぱり恥ずかしい。
「こ、こんなつなぎ方、普通するんですか?」
「みんなこうして繋いでるよ」
「うそ……」
思わず口をついて出た。その時、大和先生の眉がピクリと動く。
「本当。っていうかなんで嘘だと思ったの?」
「……大和さんのいうこと、全部本当かわからなくなったから」
私は口をとがらせると言った。
大和先生が嘘をつくとは思えないけど、大和先生は島原先生とは違う意味で掴みどころがない時もあって、嘘をつけない人とも思えない。