【完結】ドSな救命医に見初められ、婚姻関係を結びました。


「そういえば北斗さん、今日何時からですか?」

 と問いかけたわたしに、北斗さんは「今日は午後から夜中までだ」と答えた。

「そうですか。じゃあ今日は一緒に寝れませんね……」

 夫婦である以上、寝る時間が少しでもある時には一緒に眠りに付いたりするけど、今日はそれが出来ないみたいだ。

「そうだな。……寂しいのか?」

「……まぁ、はい。寂しいですよ?」

 そりゃあ寂しいに決まってるよ。……だってわたし、北斗さんのこと愛してるし。
 北斗さんのこと大好きだから、もし北斗さんに何かあったらどうしようって悩んだりする。北斗さんがいないとわたしは、何も出来ない……。
 
 あの日の事故現場でも、そうだった。患者の容態が急変して心停止になった時も、わたしは体が震えてしまって焦ってしまった。

 もし北斗さんが来てくれなかったら、きっとあの患者さんを助けることは、出来なかったかもしれない。

 それを引きずってしまっているのは、自分が弱いからだ。……自分が強くならないといけないと分かっているからこそ、誰かの役に立てる医者になりたいって思った。
 慎重さと頭の回転の速さを求められるのが、医者だから。
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