【完結】ドSな救命医に見初められ、婚姻関係を結びました。


「……そうか。そんなことが」

「はい。 幸い命に別状はなかったけど、足を骨折してしまって……。だけど救命の人がしかヘリで来てくれたから、わたしは助かったんです。本当に感謝しか、ありません」
  
 今思うと、ドクターヘリがなかったら、わたしはきっと助かることもなかったかもしれない。
 生きてるって、ありがたい……。

「……さくらも、そんな経験があったのか」

「はい。……あの日の出来事は、今でも鮮明に覚えています。きっとこれからも、忘れることはありません」
 
 わたしはそう言うと、「あ、すみません。こんな話して……」と謝罪した。

「いや、話してくれてありがとうな」

「……いえ」

 初対面の人にこんな話をするのは、良くなかった気がする。反省……。

「さくら」

「はい?」

 突然名前を呼ばれ、真剣な眼差しを向けられる。

「さくらの夢は、なんだ?」

「夢……?」

 わたしの、夢……? 
 そんなの決まってる。わたしの夢は……。

「……医者になることです。立派な救命医に、なること」

 わたしがそう言うと、北斗さんは突然、こんなことを言ってきた。
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