【完結】ドSな救命医に見初められ、婚姻関係を結びました。

 
「さくら先生、横井さんが……!」

「え……。すぐ行きます!」 

 だけどそれから数日後、横井さんの容体が急変した。

「さくら先生、血圧低下してます……!」

「アドレナリン投与してください!それから、酸素も入れましょう!」

「はいっ!」

 横井さん、お願い……。頑張って。奥さんもお子さんも、みんな待ってますよ!

「アドレナリン入れました!」

「………。ダメです。反応しません!」

「もう10単位入れてください!」

「はい!」

 わたしは懸命に処置をした。応援に来てくれた四方木先生も処置を手伝ってくれた。

「四方木先生、さくら先生! 血圧上がりません……!」

「呼吸乱れてますね……。挿管しましょう」

 右の呼吸音が聞こえないことに気付いたわたしは、四方木先生に向かってそう話した。

「分かりました。 先生、俺が挿管します」

「お願いします」

 なんとか懸命に処置をした。わたしたちなりに、出来ることは全部やった。
 だけど……。

「先生、心停止です……!」

「急いで除細動用意してください!」

 しかし横井さんは、心停止した。
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