【完結】ドSな救命医に見初められ、婚姻関係を結びました。


 その三日後に行われた論文の発表会には、数々の先生や医院長たちが出席していた。 
 その発表会でやはり注目度が高かったのは、柳井先生であった。 柳井先生が今回発表会した論文は、日本では初症例となったオペの論文であったそうだ。
 それはもう、各メディアも注目しているようであった。 さすが柳井先生……とでも言うのだろうか。



「柳井先生、また今日も報道番組に出てますね」

「……ですね」

 あの論文の発表をしてから、柳井先生はメディアに引っ張りだこだそうで……。中塚先生や田代先生は、少し困惑していた。

「田代先生の論文も、良かったですけどね」

「さすがにアメリカ帰りの外科医は、注目度が違うんですね」
 
 なんていう会話も聞こえてきたくらいだった。

「……外科医なんて所詮、論文が全てでしかないですよ」

 そんな会話を聞いた松村先生は、そんなことを言っていた。

「松村先生? そんなこと、どうして分かるんですか……?」

 と問いかけると、松村先生は「……俺も昔は、外科医を目指していたので」と答えた。

「え、外科医……ですか?」

「……はい」
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