【完結】ドSな救命医に見初められ、婚姻関係を結びました。


「そんなことあるだろ?……ほら、ここも柔らかい」

 そう言って北斗さんは、わたしの右胸に触れてくる。

「やだっ……ちょっと、北斗さん……」

 くすぐったくて身をよじるけど、北斗さんに抱きしめられているせいか、なかなか身動きが取れない。

「さくら、愛してる」

「っ、んっ……」

 そして北斗さんから、熱くほとばしるようなキスをされる。

「北斗さんっ……」

 北斗さんの身体を押すと、北斗さんは今度は首元に唇を寄せてきた。

「っ、やっ……もうっ、北斗さんったら……」

 北斗さんは時々こうやってドSになるのだ。わたしに意地悪くなる。
 だけどわたしは、そんな北斗さんには抗えない。

「悪い悪い。さくらが可愛くてさ」

 いつもよりも低めの声で、北斗さんはそう言ってきた。

「もう……。北斗さんってば、本当に意地悪いんだから……」

 と言うと、北斗さんは「さくらが可愛いのが悪いんだろ」と言葉を返してくる。

「もう、北斗さんってば……」

 だけどそう言われてしまうと、わたしは何にも言えなくなるのだ。
 北斗さんには敵わない。……これからも一生、敵わない。
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