【完結】ドSな救命医に見初められ、婚姻関係を結びました。
「北斗さん……あの」
「どうした?」
そしてその途中で、篠田さんのことを思い出して北斗さんに話すことにした。
「あの、この前助けた患者のことなんですけど……」
「ああ。遊園地の?」
そう聞かれたわたしは「はい」と答えた。
「で、その患者がどうしたって?」
「……今日、その患者さんのことで警察が病院に来たんです」
「え? 警察が?」
北斗さんは唐揚げを口にし、驚いたような表情を見せた。
「はい。 あの患者さん、篠田さんという人なんですけど……」
「で?」
「……篠田さん、どうやら交際相手に日常的に暴力を振るっていたそうなんです」
わたしがそう言うと、北斗さんは飲んでいたお茶が器官に入ってしまったようで、噎せてしまったようだった。
「だ、大丈夫ですか!北斗さん」
「あ、ああ……。悪いな」
かなり激しく咳き込んでいた北斗さんだけど、なんとか治まったようだ。
「もう大丈夫だ。済まない」
「いえ」
「で、その篠田って患者……。DVの加害者ってことか?」
わたしはそう聞かれて「そうみたいです」とだけ答えた。