【完結】ドSな救命医に見初められ、婚姻関係を結びました。


「……さくら先生は、充分よくやってくれましたよ」

「え……?」
 
 落ち込むわたしに、四方木先生は言った。

「さくら先生は、一人の患者さんの大事な命を救ったんです。……そのことは、間違いではなかったと思いますよ」

 そんな四方木先生の言葉に、わたしは少し救われた気がして「ありがとうございます」とお礼を伝えた。

「さくら先生の意思は、篠田さんに伝わっていると思います。……必ず、やり直せますよ」

「……そう、願いましょう」

「そうですね」

 きっとこの先、色んなことが起こるだろうし、きっと予期せぬ出来事に遭遇するかもしれない。
 そんな時は、思い出してほしいな……。篠田さんが一人じゃないってこと。
 するとその時、救急救命センターのホットラインが鳴った。

「はい。楠海浜病院、救急救命センターです」

「緊急患者の受け入れをお願いします」

「患者の容態は?」

 と電話越しに内容を確認して「受け入れます。運んでください」と伝えた。

「四方木先生、間もなく患者さん運ばれてきます。受け入れ準備をお願いします」

「分かりました。モニター用意しておきます」
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