【完結】ドSな救命医に見初められ、婚姻関係を結びました。


「これは……」

 その現場を目撃したわたしたちは、何も言葉が出なかった……。

「……とりあえず、ドレナージしていきましょう。赤タグの人から優先で治療します。緑と黄色のタグの人は、歩ける人から、とりあえず救護室に運びましょう」

「はい!」

「四方木先生たちは、あちらの患者さんたちをお願いしてもいいですか? わたしたちは、あっちへ行きます」

「分かりました!」

 わたしたちは二手に分かれ、治療を開始することにした。

「楠海浜病院の楠と言います。ちょっと見せてくださいね?」

 近くにいた人から状態を確認し、ドレナージしていく。

「お名前言えますか?」

「秋山……裕太です……」

「秋山さん、今一番痛い所はどこですか?」

 秋山さんの頭部や腹部などを触りながら、言葉を交わしていく。

「左の足……」

「左足が痛いんですね?」

「っ……」 

 頷いた秋山さんの左足を触ると、どうやら秋山さん左足を骨折しているようだった。顔を顰めて痛そうにしていた。

「秋山さん、秋山さんは、左足を骨折してるみたいですね。 今から固定して病院に運びますからね」
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