【完結】ドSな救命医に見初められ、婚姻関係を結びました。


「うーん。もう少しなんだけどな」

 100円玉をまた何枚か追加した北斗さん。そしてアームに引っかかったそのぬいぐるみは、そのまま持ち上がり入り口までゴトンと落ちた。

「お、取れたぞさくら」

「え! すごいですね、北斗さん」

「ほら、やっぱりさくらに似てるだろ?」

 そのぬいぐるみをわたしの顔の横に並べた北斗さんは、笑いながらそう言ってきた。

「え? 似てますか……?」

 どう見ても似てるような感じには、見えないのだけど……?

「似てる似てる。可愛いな」
 
「どっちが、可愛いですか?」

 北斗さんならきっと、わたしのことを可愛いと言ってくれるかもしれないと、思っていたのだけど……。

「コイツかな?なんか愛らしい顔してるよな?」

「えぇ……」

 わたし、この子に負けたの……? なんかショック……。

「冗談だよ。 さくらの方が、何倍も可愛いよ」

 急にそう言われたら、恥ずかしくなってしまうよ……。

「決めた。 コイツの名前は、さくら二号にするか」

「さくら二号……?」

 なぜに、さくら二号なの……?

「おう。いい感じだろ?」
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