彼の顔が見えなくても、この愛は変わらない
「私に近づかないほうがいいよ」


鈴の音が泣き声になってしまわないように、私はそう言って雪ちゃんと突き放した。


それしか、今の私にできることはなかったから。


ずっと1人でいてなにをされても文句を言わない私に、イジメは更にエスカレートしていった。


体育の授業の準備をしていると、体操着が切り刻まれていたり、上履きがゴミ箱に捨てられていたりする。


それでも私は自分の中だけでとどめておいた。


誰に何かを相談しても、誰に相談したのかわからなくなってしまうからだ。


先生や両親になんて絶対に言えない。


言えば大きな問題にされて、仕返しされる可能性もある。


それに、この年になってイジメられていますなんて言うのは恥ずかしかった。


小学校だった頃の私は高校生が随分と大人に見えていたものだ。


だけどいざ自分がなってみれば、幼い頃となにも変わっていないと感じられた。


「あれ?」
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