彼の顔が見えなくても、この愛は変わらない
☆☆☆

一週間後。


休憩時間に入った時、私は久しぶりに3年生の廊下を歩いていた。


いくらA組のクラスメートたちと仲良く会話をしていても、どうしても佳太くんのことが頭から離れず、とうとう足を運んでしまったのだ。


坂下さんに聞けば佳太くんのことをしっていそうだけれど、そんな質問をすればどんなしっぺ返しが待っているかわからないので、1人でこっそりやってきた。


もちろん、他の子達にも知られるわけにはいかない。


本当にひと目佳太くんを見るだけでいいんだ。


それで自分の気持にケリをつけるつもりだった。


それなのに、佳太くんらしき人はどこを探しても見当たらない。


おかしいな、きっと3年生のはずなのに。


周囲を見回しながら歩いていると廊下の奥に人垣ができていた。


女子生徒や男子生徒に囲まれているひときわ背の高い先生の姿がある。


人垣の横を通り過ぎる瞬間、佳太くんの声がきこえてきた気がして私は立ち止まった。


周囲を見回して確認するが佳太くんの姿は見当たらない。


勘違いだったんだろうか?


首をかしげて、私はまたあるき出したのだった。
< 93 / 141 >

この作品をシェア

pagetop