Tear Flowers〜Remember Me〜

一人で考え込んでいると、二つの視線に気付く。心配げなものだ。フィオナが顔を上げれば、サルビアの紫の目とフリージアの黒い目がフィオナを見つめている。

「どうかされましたか？」

フィオナが訊ねると、フリージアが「声をかけたんだけど反応しなかったからな」と少し安心したように微笑む。

「申し訳ありません、考え事をしていました。何のお話でしょうか？」

フィオナが謝ると、「そんなに重要な話じゃないよ」とサルビアがフィオナの頭を撫でる。二人はどうやら今日のお昼に食べに行くお店のことを話していたらしい。

「フィオナは何が食べたいですか？僕とフリージアはお腹が食べたいって話してたんだけど……」

「私も肉で構いませんよ」

フィオナはそう返し、また黒いバラの花びら事件のことを考え始める。しかし、どれだけ考えても簡単に答えの見える事件ではなく、特殊捜査チームの部屋に着いてしまった。

「ただいま帰りました」