拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
迷い

翌週からは、また仕事に集中した。
今の仕事は自分のペースで進められるし、もうすぐ新入社員も配属されてくる。
自分の仕事にまだ自信はないが、何かあったときはどこの誰に相談すればいいのかは把握できてきた。
教育係だった吉田さんは面倒がらずに変わらず相談にのってくれるし、須藤さんも経営企画部に異動してプロジェクトが終了になってからも、変わらず声をかけてくれる。

新入社員が配属されるのは今年は設計部だ。私が今やっている仕事が終わったら一緒のプロジェクトに入ってやっていく予定だ。
それまでにシステム部の主な業務フローを作成しておかないとならない。
自分の頭の整理にもなるし、没頭するのにちょうどいい。

仕事に没頭する日々を過ごしていたある日、
定時を過ぎ、そろそろ帰ろうかと支度を始めると、須藤さんが、お疲れ、と言いながら近づいてきた。
お疲れ様です、と言いながら立ち上がると、進捗どう?と聞いてきた。
須藤さんが異動して直属の上司じゃなくなれば、あまり緊張せずに接することができるかと思っていたのだが、中々難しい。
いつ会っても緊張する。

「マニュアルの件ですよね?ほぼ出来てます。」

「明日もらえる?人事で見たいって言ってて」

「了解です。マネージャーにチェックしてもらい次第送りますね」

「頼むね。後はシステム部だけなんだよ」

「ホントですか?皆さん、早いですね」

「もともとあったからな。システム部は幅広いから仕方ないよ」

確かに業務範囲が意外に多く、まとめるのが大変だった。
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