拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
「柴田さんです。須藤さんはどれがいいですか?」
「俺はこっちのほうがいい」
そう言いながらモンブランをと手かごに入れて、レアチーズを戻してしまう。
「柴田さんのは?」
「アイツは酒があればいい」
そう言いながらレジに行ってしまう。
確かにそうかもしれない。アイスやスイーツはあまり飲めない私に勧めてくれたのだろう。
5分ほど歩くと、白っぽいマンションが見えてきて、そこに向かってズンズン歩いて行く須藤さんの後ろを歩きながら不安になってくる。柴田さんに、もうすぐ着くよ、とか連絡しなくてもいいのだろうか。そもそも、私も一緒だと知っているのだろうか・・・。
不安に思いながら後ろをついて行くと、須藤さんがカバンから鍵を出すのが見えた。
鍵・・・柴田さんの家の合鍵?・・・そんなわけない。須藤さんが持っているのは違和感がありすぎる。
さっきのコンビニで、柴田さんのスイーツを買おうと思っていたのに、戻していたし・・・
「ち、ちょっと!・・・」
慌てて須藤さんの腕を掴み、制止させると、先ほどから感じていた違和感を問いただす。
「柴田さんの家、ここですか?」
「・・・ごめん、俺ん家」
「・・・ですよね。何でこんな・・・」
「柴田に誘われたのは本当だけど、こんな時間にお前を連れて行くわけないだろう」
確かに既に20時を過ぎている・・・会社の後輩が、しかも女子がお邪魔する時間ではないだろう。
だとしても、だったら柴田さんの家に行くなんて言わなきゃいいのに。
「話、途中だったろ?中で話そう」
「だからって、騙すみたいなこと・・・・」
「ちゃんと言ったらお前逃げるだろう?」
「・・・・・」
「嫌なの?」
「・・・嫌、とかではないんですけど・・・」
じっと私の顔を睨むように見ていたが、ふっと表情を和らげると、私に近づいてきて、荷物を持っていないほうの手で私の体を引き寄せた。
「ごめん。不意打ちみたいなことして、ごめんな」
いい子いい子、と子供をあやすように頭を撫でて、1か月我慢したんだぜ、と低い声で言った。
「後で送ってく。少し話をしよう」
最初からそう言ってくれればいいのに・・・と思わなくもないが、結局頷いて、須藤さんの後についていく。
いつまでもここで言い合いしていたら、人目にもつくだろう。
「俺はこっちのほうがいい」
そう言いながらモンブランをと手かごに入れて、レアチーズを戻してしまう。
「柴田さんのは?」
「アイツは酒があればいい」
そう言いながらレジに行ってしまう。
確かにそうかもしれない。アイスやスイーツはあまり飲めない私に勧めてくれたのだろう。
5分ほど歩くと、白っぽいマンションが見えてきて、そこに向かってズンズン歩いて行く須藤さんの後ろを歩きながら不安になってくる。柴田さんに、もうすぐ着くよ、とか連絡しなくてもいいのだろうか。そもそも、私も一緒だと知っているのだろうか・・・。
不安に思いながら後ろをついて行くと、須藤さんがカバンから鍵を出すのが見えた。
鍵・・・柴田さんの家の合鍵?・・・そんなわけない。須藤さんが持っているのは違和感がありすぎる。
さっきのコンビニで、柴田さんのスイーツを買おうと思っていたのに、戻していたし・・・
「ち、ちょっと!・・・」
慌てて須藤さんの腕を掴み、制止させると、先ほどから感じていた違和感を問いただす。
「柴田さんの家、ここですか?」
「・・・ごめん、俺ん家」
「・・・ですよね。何でこんな・・・」
「柴田に誘われたのは本当だけど、こんな時間にお前を連れて行くわけないだろう」
確かに既に20時を過ぎている・・・会社の後輩が、しかも女子がお邪魔する時間ではないだろう。
だとしても、だったら柴田さんの家に行くなんて言わなきゃいいのに。
「話、途中だったろ?中で話そう」
「だからって、騙すみたいなこと・・・・」
「ちゃんと言ったらお前逃げるだろう?」
「・・・・・」
「嫌なの?」
「・・・嫌、とかではないんですけど・・・」
じっと私の顔を睨むように見ていたが、ふっと表情を和らげると、私に近づいてきて、荷物を持っていないほうの手で私の体を引き寄せた。
「ごめん。不意打ちみたいなことして、ごめんな」
いい子いい子、と子供をあやすように頭を撫でて、1か月我慢したんだぜ、と低い声で言った。
「後で送ってく。少し話をしよう」
最初からそう言ってくれればいいのに・・・と思わなくもないが、結局頷いて、須藤さんの後についていく。
いつまでもここで言い合いしていたら、人目にもつくだろう。