拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
「だよね。でも設計部には何人かいるみたいだからよかったね。」

よかったけど、できれば同じシステム部にいてほしかったな、と心の中で思う。

「吉田もそうだけど、他のメンバも仕事できるし良い人ばっかりだから。あまり心配しないで」

売店に行くと言っていたのに、結局下のエレベータホールまで送ってくれた。
笑顔で手を振る須藤さんに、立ち止まってお辞儀をしてビルのエントランスを外に向かって歩き出した。

何歳くらいなんだろう。イケメンなせいか、すごい存在感だ。雲の上の人のように感じるほど、大先輩に感じる。
数年後、私もあんな風に自信があふれる大人になれるだろうか。
期待と不安が同じくらい大きかった。

週末、久しぶりに牧野くんから電話があった。
メールのやり取りは何度かあったが、直接話すのは何か月ぶりだろう・・・。牧野くんの名前がでている電話を見つめて、本物の牧野くんだろうかと呆然としながら電話にでる。

「はい・・・」

「あー、満里子?久しぶり」

「牧野くん・・・元気?」

「おう。急にごめんな、今大丈夫?」

「大丈夫だよ。」

「これからメシ食わない?」

今からか・・・もう夕方の5時半だ。今から支度しても1時間はかかってしまう。それから待ち合わせ場所までいくと、かなりかかってししまうと思うのだが、それを伝えると全然いいよ、というので、じゃあ、急ぐねと電話を切り慌てて支度を始める。
明日は日曜日だから私はお休みだが、牧野くんは大丈夫なのだろうか。

1時間足らずで支度を終えて急いで待ち合わせ場所に向かうと、既に牧野くんが車で席に来ていた。
急いで車まで駆け寄ると、久しぶり、と言って助手席を開けくれた。

友達が焼肉屋やってるんだよ、と言って10分程度車で走ると、こじんまりした一軒屋の前に止まる。牧野くんが言っていたお友達の焼肉屋さんらしい。

おっす、と言いながら引き戸を開けて入っていく牧野くんの後に続くと、同年代の男の人と、学生のアルバイトなのか、若い女の子が一人いる。久しぶりだな、と牧野くんと談笑していて女の子のほうとも顔見知りのようだ。
私たち以外にお客はいなかったため、一番奥の席に座り、牧野くんが注文してくれてお肉も全部焼いてくれる。
色々話したいことがあるのだが、お肉を焼いて食べることに忙しくて会話が途切れ途切れになってしまう。
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