40歳88キロの私が、クールな天才医師と最高の溺愛家族を作るまで
第2章 初めて選びたいと思ったのは、君だけだった

切願

彼女は、いつも何かに怯えていた。
最初に会った時から。

他人は、面白くないと切り捨てた、俺自身の話を真剣に受け止めてくれたのも、彼女だけ。
だから俺は、心に壁を作ることなく、素直に色んな事を話すことができた。
彼女……森山優花にだけは。
こんなことは、40年生きていて……初めてだった。

人は、俺に完璧を求め続けた。
言葉も、態度も、仕草も……選択の間違いは1つも許してくれなかった。
そして人は、1度の選択ミスで、あっという間に手のひらを返す……。

ねえ……優花。
俺はまだ、君に話せないことが、たくさんある。
いつか、話さないといけないことだと……分かっても、いる。
それでも俺は、君を手放したくない。
君を、選びたいんだ。
そして、君に選ばれたい。

だから、お願いだ。

「釣り合わない」

そんな他人の言葉で、俺を君の世界から排除しないでくれ。
俺と君は、間違いなく平等。
君が怯えるのと同じように、俺だって怯えている。
君に、選ばれないかもしれないと考えない日はないのだから。
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