宝物 番外編付き
〜…〜…

「よう! 研修頑張ってるか?

ガチャガチャはもうすぐ出来上がって

発注もらってる店舗に納品になるぞ〜!

蓮! …蓮? どうした?」



「光……。くるみが消えた……」



「へ? 消えた? どういう事だよ〜」

蓮が説明したら、


「マジなのか? でも、谷口は今日退職届を

出したらしいぞ!」



「うん。聞いた。」


「じゃあ、栗原は10億の調達が成功したのも

何も知らないのか?」


「うん。 たぶん缶詰がスーパーに

売られるようになってたら、俺と高木の娘と

結婚したと思うかもな……」



「そりゃあないぜ! お前の7年はどうなる!」


「しかもさ、少しでも足しにしてくれって

両親とお爺さんの遺産の入った

通帳と印鑑まで置いていったんだよ。」



「栗原もお前の事を信頼してたし、

本気で好きだったもんなぁ。」


「そしてさ、缶詰のラベルのデザインまで

置いていったんだわ」



「蓮…。諦めるな! 

いいか栗原はどこかにいる。必ず見つかるから

しっかりしろよ? な!

工場の完成したニュースや何かの記事を

読んだら、お前が結婚してないのもわかるからさ」



「そうだな! ありがとう光…

俺さ、ツラくて辛くて……ゴメン……」



「うん。俺だけには、弱音吐け!な?」



「うん。じゃあまた。」


「うん。じゃあまたな。」 ピッ!
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