宝物 番外編付き

くるみside

くるみもお茶当番でいつもより少し早く出社していた。

給湯室で、お湯を沸かしポットに入れたり、コーヒーサーバーをセットしたりしながら久しぶりに隼人君に会ったからか…
これまでいろいろあったなぁと思い出していた。


***
私がお爺ちゃん、お婆ちゃんちに住む事になったのは、両親が事故で亡くなったからだった。

お爺ちゃんもお婆ちゃんもまだ若かったから、幼稚園や小学校の行事には必ず来てくれたし、
普通の家族みたいに、夏休みや冬休みには旅行へ連れて行ってくれた。

楽しい思い出がいっぱいある。

お爺ちゃんは、大手文房具の会社のお偉いさんだったようだ。

65歳で定年した時に、住んでいた家を売り近くの新築分譲マンションを購入して引っ越しをした。

お爺ちゃんは
「これからは、俺もサキも歳をとったから一軒家だと手入れも大変だし、防犯もしっかりしてるからマンションに住むぞ!」

と言い出したのだ。

私は中学2年生だった。

定年後も週に3日程度、相談役として出社していたお爺ちゃん。

私が高2の時、

会社で倒れ、病院に搬送されたが亡くなってしまった。

会社側が社葬を出してくれた。

それからは、お婆ちゃんと2人暮らしをしている。

私は小さな頃から絵を描くのが好きで高校卒業後は、デザインの専門学校へ進学し、何とか今働いている片山文具に就職できた。
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