最愛の人に恋なんて出来やしない
孤立している私を、教師は心配したり、あまりよく思わなかったみたいで、いつもひとりで大丈夫なのかと、何度か問われたこともある。

そこで、敢えて孤立を選んだ理由を告げると、教師は答えに困っているようだった。

大抵の学校では、私が孤立していたからと言って、わざわざいじめることはなかった。

空気のような扱い、という感じだろうか。

ところが、運悪く、4年生の時に転校してきた学校では、いつもひとりで本を読んでいる私を、周りは執拗なまでにバカにした。

「お前の友達は本だけですか?」

「ネクラだな!」

不愉快だったが、反応すれば相手の思う壺だと思い、私は徹底して無視した。

しかし、無視すればするほどエスカレートし、今思えば、随分古典的なことを…と思うけれど、ドアを開けたときに黒板消しが頭に落ちてきた。

クラス中が大爆笑…。
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