最愛の人に恋なんて出来やしない

何が違うのかはわからなかったが、本当にかなり物憂げだ。

そして、栗原くんの口から思いがけない言葉が飛び出した。

「秋吉は、誰かいい人…いるのか？」

そう聞かれ、心臓が跳ね上がった。

「い、いい人って…私はいまも昔も、友達だって栗原くん以外いないし…」

大学生になっても、私は昔からの癖で一匹狼のまま。

ひとりで居ることが当たり前すぎて、今更どうやって友達を作れるのかもわからない。

「俺も、昔から秋吉しかいないよ」

その言葉に、ますます鼓動が激しくなる。

しかし、次の言葉に私は戸惑いを隠せなかった。