最愛の人に恋なんて出来やしない
耳元で、

「大丈夫、ミーナの嫌がることは絶対にしない。そのためにちゃんと窓も開けてあるんだから」

と髪を撫でながら囁かれたので、

「もう、いっそめちゃくちゃにしてもいいよ?」

と、冗談めかしながらも、本音を言ってみせると、

「こら!こっちが我慢してるのに挑発するな」

と、また何度もキスされたあと、ぎゅっと抱き締められて…。

こんな調子では、こちらの心臓がもたないと思った。

でも、ユタは…こんな風にしていても、何も感じていないの…?

甘い気持ちと切なさが綯交ぜになった想いで、私もユタの髪をそっと撫でた。
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