最愛の人に恋なんて出来やしない
ユタとは、卒業旅行にも行こうと約束していた。

最初は海外を提案されたが、恥ずかしながら、私は飛行機が怖くて仕方ない。

そう話すと、ユタは笑いながら、私の行きたいところへ行こうと言ってくれた。

北海道に引っ越すなら、旅行は小笠原へ行きたいと言ったら、ユタは二つ返事で快諾し、私も楽しみで仕方ない。


特に用事はないが、私はその晩、いつものようにユタの部屋に向かった。

部屋が見えた頃、丁度ドアが開いたので、手を振ろうとしたのだが…。

「何処に引っ越すか言わないって、どういうつもりよ!何かあったら、私一人でどうにかしろというの!?」

全身ブランドの派手な美女が、そう怒鳴りながらユタの出て部屋からきて、私は硬直した。

「そっちこそ、いきなり部屋に来るなよ、厚かましい!」
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