最愛の人に恋なんて出来やしない
「これまでずっと、ミーナには迷惑かけまくった上に、北海道にまで来てくれって言って、それも受け入れてくれたこと、感謝してもしきれないよ」

違う…私が聞きたい言葉はそれじゃない。

ユタは、じっと私を見つめると、

「実は、これをずっとお守り代わりに持ってたんだ」

そう言って見せられたのは、婚姻届。

「ずっと…言いたくて、言えなかったことがある。俺は、何があってもミーナだけは離したくないんだ。ミーナへの恋心、ずっと誤魔化し続けてきた。前に話したように、俺は色恋は汚くて醜いと思ってたし、そんな想いを、誰より大切な相手に向けるのは、間違ってると思ったから」
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