ひびき

空は薄情者

空に心があるのなら

今、何を想っているのだろう。

なんて、

また変な事考えてるよ、私。

なんでだろ。

今日も気持ちがこんなに清らかで、

弾んで、心地いいんだ。

私はベットに腰掛けながら、入道雲に覆われた空を見上げていた。

「響子ちゃんっ」

亜由美さんが、スキップをしながらこちらにやってきた。

いつも通りハイなテンションって感じだ。

「ね、どう?どうだった訳!?崎村くんとなんかいい感じだったじゃーんっ」

こんな会話、中学の時以来だ。

恋話っていうんだよね。

懐かしいな。

私は側にあった紙とペンを引っつかんで、私は一心不乱に内容を書き綴った。


こんなにも書く事に熱中するなんて、

好きって気持ちはすごいと、今更ながら思う。

気分を弾ませてくれて、

清らかにさせてくれて。

「そういえば、響子ちゃんさぁ・・・」

亜由美さんが、書く事に集中している私に向かって呟いた。

「なんか変わったよね。
いきいきしてる。」

え、と顔をあげた私に亜由美さんは微笑んだ。

理由なんか知ってるくせに。
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