私の推しが推しじゃなくなった件
『…うん。』


気付いたときには勝手に口が開いていた。


そうだ。

私は大宮くんのことが好きなんだ。


「それじゃ、泣いてる場合じゃないわね?」

『え?』


満里奈の答えを聞いた美和はコーヒーを一口飲んだ後、ニヤリと笑い、


「え?じゃなくて。アピールするに決まってるでしょう?」

『で、でも!!さっき彼女と歩いてたし…。』

「大宮本人に確認を取ってないじゃない。まだ、彼女かどうかはわからないわ。」

『そうだけど…。』

「弱気にならないの!大宮のことが好きなんでしょう?」


美和はそう言いながら満里奈の手を握り


「満里奈ならやれるわよ。大丈夫。自信を持って。」


そう力強く声をかける。


その言葉に後押しされ、満里奈は決意した。


『うん!頑張ってみる!!』

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