同期に恋してしまったら~友達からはじまる恋ってありますか?~
美玖のおやじってのは当然和菓子屋の社長であり…そして、俺の高校のバスケ部監督のおやじでもある。

要は…美玖の兄貴が俺の高校の恩師ってわけだ。
で、美玖はバスケ部マネージャー。
兄弟揃って世話になったし、監督とは今でも去年まで関西にいたときは時々飲んだりもしてた。

この店にも何度も来たことある。
だからおやじもよく知ってるってわけで…

放っておけるわけがなかった。

結局…意識はすぐ戻り、精密検査を受けるとかで、和菓子屋を自分で切り盛りしないといけないってことでテンパってしまった美玖がなかなか離してくれなくて、日曜日の夕方まで京都にいる羽目になった。

さすがにもう仕事あるからってなんとか美玖をなだめ、俺は大急ぎで帰途についた。

奈桜には今日は会えないってLINEしたけど、ほんとはちょっとでも会いたくって…なんなら…泊めてくれんなら…そのままクリスマスまで…流れで…

とか思ってたくらいだったのに…

なんだ?
この図…

俺…どうしたらいいんだ?

結局動けなくて…
そのまま立ち尽くしてたら、奈桜がトボトボとマンションの中に消えて行った。

俺はどうすることもできなくて、キャリー引きながら自分のマンションまで帰って、扉開けたとたんに疲れがドッと押し寄せ…

その夜は…ベッドに早々に倒れ込んだけど…全然熟睡できなかった。


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