僕等はきっと、満たされない。

京都に着いて

少し緊張した



2度目の京都



あの人がいた場所

あの人が育った場所

あの人がいなくなった場所



「晴夏、大丈夫?」



「ん?うん、大丈夫…
…
綺麗だね」



「夏以外も景色が違って綺麗だよ
春は桜
新緑の京都もいいし
秋は紅葉
冬の金閣寺もいいよ」



前に来たのも夏だった


でも

あの時と違って見える

あの時はあの人が亡くなって間もなくだった


切なくて

周りをゆっくり見る余裕もなかった



あれから2年経った

辛かったのを忘れたわけじゃない



今は隣に宙がいるから



「晴夏、一緒に写真撮ろうよ」



「え、写真?」



「うん、こっち見てよ」



宙がスマホを翳した



「ヤダ…」



「なんで?」



ちゃんと笑えてるか不安だった


宙の隣で私は笑えてるかな?



「ちゃんとメイクしてないし…」



「じゃーいいや…」



ごめん

宙

怒った?



宙に出会わなかったら

ここに来ようと思わなかった



ありがとう

宙



連れて来てくれて


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