幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!

大切な人のために。

……独りぼっちだな。


悲しい。

とか、そういう感情じゃない。

もう全てがどうでもよくなってしまいそうだった。


親友だと思っていた琴音ちゃんとは本音でぶつかり合えないし。

彼氏だと思っていた南條くんには冷たい言葉を受けるし。

クラスメイトからは軽蔑の目で見られているし。


あはは。

乾いた笑いしか出てこない。

笑えるだけマシなのかな。


私はそっと席を立って教室を出た。

どこに行こう、とかも決めていない。

ただ、教室にいるのが辛かった。


フラフラと廊下を歩く私とは反対に、廊下には体育祭に向けて意気込んでいる生徒ばかりだ。


しんどいなぁ。


……でも。

私の足が急に止まる。

足元に視線を落として考える。


……でも。

私が辛いって思うなら、琴音ちゃんも辛いんじゃないかな。
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