幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「……今日、唯斗くんたちは仕事で帰りが遅くなると思う」



話すならそのときだ。

多分唯斗くんのことだから『疲れているから』とか言って、私を避けるんだろうけれど。


それでもいい。

温かいご飯を用意して。

温かいお風呂を入れて。

お掃除も洗濯も完璧にこなして。

笑顔で『おかえり』って言うんだ。



「向き合ってみる。……琴音ちゃん、ありがとう」

「どういたしまして。頑張りなよ」



私は背中を押されて、心が温まった状態のまま1日の授業を終えた。
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