幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
明後日には引っ越し。

この場所から離れるわけでもないのに、なんだかホームシックのような感覚に襲われる。

学校に行けば琴音ちゃんにも普通に会えるのに。

だけど、なんとなく寂しさを覚えた。


私は帰り道を一緒に歩く琴音ちゃんに抱き着いた。



「琴音ちゃんーっ」

「急になに」

「大好きだよーっ」



大切な友達。

大切だけど、同居のことは言えない。

そんなモヤモヤが心の中に広がる。


琴音ちゃんに抱き着いたままの私。

琴音ちゃんは私の背中を撫でてくれる。

その手は温かくて。

優しくて。

少しだけ切なくなった。


隠し事は嫌いだけど、今回のことについては話せない理由があって。

だけど、琴音ちゃんの手から『大丈夫だよ』と、言われているような気がした。
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