ロート・ブルーメ~赤花~

 相手のことを思ったり、嫌われたくないと思ってしまったとき、あたしは自分の意見を言えなくなる。


 日葵に相談すると、みんな多かれ少なかれそういうところはあるんじゃないの? と言われたけれど、少なくともみんなはあたしよりちゃんと自分の意見を言えている。

 あたしは、どうしてもグッと飲み込んでしまうんだ。


 中学の頃、大したことないと思って言った言葉で人を酷く傷つけてしまったことがある。

 それからというもの自分の意見を言うのが怖いんだ……。


 だから、いつもこうして流されるように過ごしてしまう。


 少しは自分の意見も言いなさい。


 そういつも言っているのはお母さん。

 お父さんは出張続きで中学の半ばくらいからまともに会えていないから、同じように思っているかどうかは分からないけれど。


 そんな、一見充実しているけれど自分に自信が持てない日々を送っていたあたし。


 その日常が一変したのは、この翌日。

 今日よりもさらに赤い色が強い、真っ赤な夕日が見える日だった。
< 3 / 232 >

この作品をシェア

pagetop