ネトゲ女子は社長の求愛を拒む
会議が終わり、少し休憩をしていると、秘書室から話し声が聞こえてきた。

「伊吹。大変なの」

誰と話をしているのか、今まで聞いたことがないくらいの真剣な声で電話をしていた。

「急に予定が入って」

焦っているようで、こっちが秘書室に入ってきたのも気づいていない。

「そう。伊吹しか頼れないからお願い」

携帯を置き、ため息をついていた。
憂鬱そうで難しい顔をしていた。
どうやら、なにか困ったことが起きたようだ。

「なにかトラブルですか?」

驚いて、こっちを見ていた。

「すみません。ちょっといろいろあって」 

「悩みがあれば、聞きますよ」

「ありがとうございます。大丈夫です」

力なく、笑い、頭を下げた。

「そうですか」

確かにただの仕事関係者で上司でしかない自分に言うのも、おかしいしなと思いながらも、相談されなかったことが、何となく気に入らなかった。
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