ネトゲ女子は社長の求愛を拒む
人の横ですやすやと安眠して。
付き合ってもいない男のベッドで堂々と眠るとか、馬鹿なのか?
サイドテーブルにポカリとバナナが置いてある。
一房そのまま、ドンッと男らしく置かれていた。

「ちょっとは色気出せよ」

体温計を手に取り、測ると熱は下がっていた。
額になにかはられてあるのに気づいた。

「一応、看病はしてくれていたのか?」

のんきな顔をして、眠っている。
なんとなく、イラッとしたので、ばちんとデコを叩いてやった。
う、うーんと唸ると目を開けて、こっちを見た。

「はー、よく寝たー。しゃ、社長!?」

「よくそんなに寝れるな」

クソ呆れるくらいにな。
俺の前でそんな無防備に眠る奴なんかいない。
もしかして、こいつ大物か?

「今、何時ですか?」

「昼過ぎ」

「あー!半日無駄にした!って、社長、なんか食べました?」

「まだ」
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