御曹司社長は双子の姉を溺愛したい!
「第一、菜々子は姉でしょ?もっと姉らしく、しっかりしてよ」

ガタンッと席を立つ音がした。
凛々子が驚き、目を見開いた。
隣に雅冬さんが座った。

「菜々子はしっかりしているぞ」

「雅冬さん!」

「言わせておくな。聞いてるこっちが辛いだろ」

ぐしゃと頭を掴まれた。
その手が温かくて思わず、気が緩んで涙がこぼれそうになった。
自分一人なら、こんな気持ちにはならなかっただろう。

「何しに来たの?」

「お前が素直に菜々子に言わないからだろ。菜々子がいないと寂しいってな」

「そっ…そんなの!」

「ふーん、寂しくないなら、いいんだぞ。それなら、菜々子と二度と会うなよ」

「本当に嫌な男ね!こんな奴と結婚していいの!?」

凛々子はぎろりと雅冬さんを睨んだ。

「雅冬さんは優しい人だよ」

「まあな」

褒められて得意顔でふんぞり返った。

「私、雅冬さんと結婚するの」

「信じられない!私、絶対に反対だから!」
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