御曹司社長は双子の姉を溺愛したい！

「聖子さん。いつまでも子供に干渉するおつもり？それよりも海外赴任に着いて行くべきではなくて？慣れない海外でしょう？海外で暮した方が、あなたにとってもよろしいでしょう」

「貴子様っ」

「あなたが誰よりも宮ノ入を立派にしようと考えていたことはわかっていますよ。けれど、やり過ぎてしまったわね」

にっこりと貴子様は微笑みを浮かべていた。
もう聖子さんは私を見ておらず、ただ俯き、うなだれていた。
まるで、叱られてしまった子供のように。

「失礼します」

「雅冬さん！」

ざわ、と奥様達が一斉に雅冬さんを見た。

「どうもご無沙汰してます。妻を迎えに来ました」

来てから、まだ一時間も経っていない。
ちょっと早すぎじゃないですかね……。
雅冬さんを見て貴子様は笑った。

「あらまあ。雅冬さん、奥様が心配でこられたの」

「ええ。そうです。じっとしていられず、来てしまいました」