御曹司社長は双子の姉を溺愛したい!
ぐしゃぐしゃと頭を撫でられた。
「子ども扱いはやめてください」

「キスの方がいいのか」

「今は駄目です。誰かに見られたら、恥ずかしいですから!」

外国じゃあるまいし。
マンション内で何を言われるやら。
エレベーターを降りると。エントランスでサラサラの長い黒髪に瞳、ぱりっとしたスーツを着た綺麗な大人の女性とすれ違った。

「菜々子、待て。途中まで一緒に行こう―――」

「雅冬っ!」

振り返ると、その綺麗な女の人が雅冬さんに抱きついていた。

綾香(あやか)!どうしてここに?」

誰?
その人は。
そう言いたかったけれど、言葉が出てこなかった。
あまりにも二人がお似合いすぎて―――
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