御曹司社長は双子の姉を溺愛したい!
「綾香!菜々子におかしなことを吹き込むな!もういいだろ!帰れ!」

本気で雅冬さんが怒鳴っても綾香さんは動じていなかった。

「せっかく、恋人が海外から追いかけてきてあげたっていうのに冷たいわね」

「恋人!?」

「あら。雅冬から何も聞いてないの?」

「綾香!」

「私、雅冬と付き合っていたの。ねえ?雅冬?」

「ちゃんと別れただろ!?誤解を招く言い方はやめろ!」

「私はそんなつもりないわよ?一方的に別れを切り出して、さっさと日本に帰っちゃって」

綾香さんは怒鳴られ、イライラしてきたのか、私の方を見て言った。

「私は奥さんがいても気にしないわよ。雅冬と結婚してもいいのよって聖子おばさまから言われてるから」

「あのクソババア」

「今日はこの辺にしといてあげるわね?奥様?」

「待て、綾香」

機嫌のいい顔をして帰りかけたところを雅冬さんが止めた。
雅冬さんは私の腕を掴んで抱き寄せると、強引に唇を重ねた。
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