御曹司社長は双子の姉を溺愛したい!
「春から沖重の営業になったのよ。仕事で宮ノ入にきてただけ。ちょうどエレベーター降りたら、化粧の濃いオバサンと話してるから、聞いてたのよ」

「双子なの?あなた」

「見ればわかるでしょ?老眼なの?」

「凛々子っ!」 

口を塞ぎたいくらいの心境だった。

「外見しか似てないわね」

「残念ながら、外見も似てないみたいですよー。私、雅冬さんを誘ったのに無理でしたもん」

綾香さんと凛々子は笑顔でにらみあっていた。
なに、この毒々しい戦いは。

「もぉー、だから、菜々子。言ったでしょ?」

「なに?」 

「あんな男、やめておけってね!こんなオバサンと付き合ってたなんてー。最悪!」

凛々子は得意気な顔をして言った。

「雅冬をあんな男呼ばわりするの!?」

「ちょっと元カレと菜々子を会わせただけでキレるし、婚姻届けを見せびらかすし、こっちが泣き落としても、全然優しくしてくれないし」
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