御曹司社長は双子の姉を溺愛したい!
出会った時と同じように橋や船がライトアップされ、遠くのビルからは灯りがキラキラと水面に映り、揺らめいていた。

「ほんのすこしだけ前なのに懐かしいよな」

「本当ですね。あの日会わなかったら、今もきっと私はここで一人ぼっちで夕飯食べていましたよ」

「俺は一人で海を眺めていただろうな」

お互いの顔を見つめて笑った。
それでも、きっと。
すれ違いながら、何度目かで私達は出会っていた。
そんな気がした。

「ピザ食べますか?」

「ああ」

ファミレスも今ではバイトの子も入れ替わり、掃除のスタッフも新しい人が入った。
でも―――変わらないものもある。

「雅冬さん、ずっとそばにいてくださいね」

「それは俺のセリフだ」

ベンチの上に置かれた手を重ね合わせ、二人で海を眺めて微笑んだ。
二人の重なった手には銀色の指輪が輝いていた。
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